作:春場ねぎ先生により「週刊少年マガジン」で絶賛連載中(2019年5月現在)の人気ラブコメ漫画、『五当分の花嫁』。男子高校生である家庭が貧しい主人公、上杉 風太郎(うえすぎ ふうたろう)が「五つ子の女子高生」たちの家庭教師を務める事になり、話が進んでいく。
2019年冬クールにアニメ化もされ、はやくも二期制作が決まりその人気はとどまることを知りませんよね。
「五つ子」という設定自体は斬新とは行かずとも、もちろんあまり見かけない設定ではあったので、マガジン本誌で読切で掲載された当時からSNSや掲示板で一躍話題だったと記憶しています。
私も当時、読み切り掲載をコンビニで立ち読みし、「お、久しぶりに面白そうなラブコメ漫画が来たな…」と、ボソッと呟いた記憶があります。(変質者)
いざ連載がスタートし、毎週かかさず読み、今日に至るわけですが…もう連載から2年も経ったんですね。あっという間に感じます。
あの頃はまだ、知らなかったというか、推し量ることができなかったのかもしれません。今だから言えます。この作品は「ラブコメ漫画至上最高傑作」になる可能性を秘めています。
※2019年5月27日、本日は#五等分の花嫁記念日とのことで、本記事を書かせていただきました。
「5人」の内「1人」と結ばれるという確定要素
作品冒頭のシーン、主人公と花嫁の結婚式から始まります。
『五当分の花嫁』は、最初から「ハッピーエンド」が確定しています。
ラブコメ漫画の終点の多くは「ハッピーエンド」です。それは多くの作品での共通項です。
しかし、既読者の方からしたら周知の事実ではある話ですが、本作を読んだことをない人に向けて話しますと、、勘の鋭い人はもうわかりましたよね。そうです。
「五つ子」の内、一人と結ばれる=「残りの4人とは結ばれないのが確定しています」。
これ、どれだけ酷な話か、私には想像できません。主人公の風太郎にとっても酷なことであり、読者にとっても酷な話です。
誰か一人が幸せを手にするなら、残りの4人はその権利を逃したという結果が残ります。
もちろん、主人公と結ばれなくとも、それぞれが幸せな人生を送るでしょう。それはおそらく間違いのないことです。
ですが、私は既に耐えられません。この作品を見てると結末を考えると、涙腺が緩みます。
なぜなら、五つ子それぞれの頑張る姿が、魅力的で、温かくて、キラキラしてて、、全員が幸せになってほしいとおもってしまうからです。
最強vs最強vs最強vs最強v最強
ラブコメ漫画には多くのヒロインが登場し、そのヒロインたちがライバル関係になるのは一般的な構図ですよね。程度は作品それぞれ違えど、かみ砕いて言うと、「主人公の取り合い」です。
『五当分の花嫁』の花嫁でもその構図は存在します。
みなさんも作品を読み進めるうちに「推し」のヒロインが出てきて、その子を応援することがあると思います。
それもラブコメ漫画の一つの醍醐味ですよね。「なんでもっと活躍させないの!」「なんでこんな結末にしたの!!」と展開や結末に悶えたこともあるのでないでしょうか。
少なくとも私はそうです。『五当分の花嫁』でも「ひいき目」で見てしまうヒロインがもちろんいます。だけど、あってないような僅差です。
この作品のヒロイン、「5つ子」たちは全員が最強クラスです。「推し」なんてあってないようなものなのです。
つまり、全員魅力的ってことです。そのパラメーターが振り切っててオーバーフローを起こしています。
こんな作品、他に見たことありません。
一歩引いた目線で見守る長女のお姉さん
面倒みのいい長女の「一花(いちか)」。恋愛でも一歩引いたスタンスを貫きます。
一見フランクな性格に見えて、姉妹の中でも一番乙女だったりするギャップが魅力的ですよね。
一言で言うと「破壊力の塊」。本気にさせたら一番やっかいなタイプですね。
三女の「三玖(みく)」を応援する一方、自分の気持ちにも気づき始める一花。
徐々に感情を隠しきれなくなってきています。今後の展開が楽しみです。
遅れてきたダークホースの次女
最後まで風太郎と対立していた次女の「二乃(にの)」。
「作品途中で髪を切るヒロインに外れはない」と勝手に私は思っているのですが、もれなくドンピシャでやられました。上のコマ、何度も何度も何度も読み返しました。一番好きなシーンかもしれません。
作中でもっとも人間味にあふれ、成長しているヒロインかもしれません。
基本ツンツンしてるけど、良い子なんです。
紆余曲折あり、徐々にですが風太郎に心を開き始めます。
というか開き始めてからが早かった光速だった。フラグは立ってましたよね。料理上手くて社交的でツンツンしてる姫様が本気出し始めたらそりゃ最強になるでしょって話です。
↑上のコマ見てコンビニで「ほあああぇぇぇぇ!!!?!」って叫んだ黒歴史が蘇る…ううっ…(そのうち捕まるかも)
誰よりも先に心を開いた三女
姉妹の中で一番控えめな性格の三女の三玖(みく)。誰よりも早く風太郎への好意を認め、誰よりも風太郎にアプローチしています。
初期のころの感情表現に貧しくドライな一面は消え、次第に口数が増え表情も豊かになっていることから、もはや別人です。恋をすると人って変わるんですね。
しかし、最も「純粋」ということは最も「脆く崩れやすい」証でもあります。
最も距離が近い存在は、もしかしたら最も遠い存在の裏返しなのかもしれないですね。
最近の三玖は感情を隠すことができず全て表情に出ちゃってます。頑張っている子を素直に応援したいと思っていますが、果たしてどうなる事やら…胸が痛いです。
恋人候補として最も遠い四女
最初から風太郎に好意的だった四女の四葉(よつば)。まるで「会う前から知っていた」ような素振りも見せています。
明るく前向きでお人好しで、誰にでも好かれる性格だけど自分の本心を明かさなかったりと、影の部分も目立ちます。
風太郎に好意的ではあるけどもそれは「LIKE」であり、けして「LOVE」ではないと一歩引いた目線で物事を捉えています。
自分に自信がなく、他の姉妹を優先しちゃってる四葉が一番ノビシロがあるのは間違いなく、今後「ビッグターン」が回ってくる可能性は高いです。
無邪気というのは「武器」です。四葉が本気で風太郎にぶつかったとき、他のヒロインにとっては一番の脅威にあるかもしれませんね。
最も「近い」ファイナルウェポンの五女
「物理的な距離」は三玖が最も近いのは間違いありません。ただ、「人としての距離」が最も近いのが五女の五月(いつき)です。
五月は他の4人には持っていない「カード」を多く持っています。
唯一風太郎の家を知っています。しかも「他の4人の誰にも教えません。」
「これもう彼女じゃん!??!」
他のだれよりも主人公と「ナチュラル」に接する五月、客観的に頭一つ抜けていると見えるのは私だけでしょうか。
さて、ついに本気を出し始める予感が
気になる方はぜひ作品をご覧ください(唐突な宣伝)
恋愛?それも大事だけど五つ子たちの成長が尊い
『五等分の花嫁』はキャラもかわいいし魅力的です。
しかし、私が「ラブコメ漫画至上最高傑作」とうたう理由のひとつに『五つ子たちの成長』を挙げます。
親密度0から始まる家庭教師との成長物語
最初はうまく行かないことがありました。当たり前ですよね。突然家庭教師をつけられて勉強しろと言われたら誰だってイヤなものです。
しかし、風太郎のお金の為だけに働いていないその「本気」さに徐々に五つ子たちが応え始めます。
時には激しくぶつかりあう
時には衝突もありました。そのたびに「全員」で乗り越えてきました。
「全員」そろった瞬間
もちろん、五つ子だけじゃなく風太郎も成長していました。「私はこの回をコンビニで読み、人目をはばからず泣きました。」
悩んで自分たちで答えを出していく五つ子たち、それをサポートする主人公。シンプルな土台があり、その土台に魅力的なヒロインたちが乗ることで作品の面白さが底上げされていきます。
「五つ子」という多視点から繰り広げられる展開に一切無駄がなく、ヒロインたちの偏りもなく描写されている春場ねぎ先生は流石の一言です。
いつまでも続いてほしい「五等分の花嫁」
そろそろ〆です。
いつどの時代でも(主に)週刊誌のラブコメ漫画は世の少年たちの「恋愛バイブルであり」、「癒しの象徴」であり続けました。中には「ニッチ」なジャンルのものや、少年たちの心を掴む「セクシー」なものだったり、良い意味でも悪い意味でも多彩な作品が生まれてきたでしょう。
『五等分の花嫁』は、王道ラブコメとして透明な純粋さを持っています。これはとても貴重です。この作品が多くの人に愛される理由は登場人物たちの純粋さと、一生懸命さが伝わっているからだと思います。私はその純粋さに純粋な気持ちで応えていきたい。ヒロインたちが大好きで、応援し続けたい。「私はそんな作品に出会えて心から嬉しいです」。
そして、できるならいつまでも続いてほしい。
冒頭で「最高傑作に可能性を秘めている」と書きましたが、撤回します。
『五当分の花嫁』は王道ラブコメの最高傑作です。
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いつまでも続いてほしい理由の一つに
「推しが最後まで決められない」という問題があります(笑)
五つ子はみんな「最強」なんだ。