主人公『千歳 朔』と『内田 優空』。
そして、『柊 夕湖』。
突然終わりを迎えた、衝撃の物語。
新月の夜に動き出す、もう一つの物語。
ーーあなたにとって普通の存在に、なりたいよ。
物語前半戦の結びとしてふさわしい内容だったチラムネ6巻。
今回もお気に入りのシーンをランキング形式でまとめていきます。
6巻 好きなシーンTOP6
6位:「ーー君の心は、なかったよ?」
明日風とおばあちゃんの家へ。
途切れていなかった、朔兄と、明日姉と、おばあちゃんとの繋がり。
田舎での一幕、心温まる瞬間。
明日姉との旅描写がほんとに好きだ・・・。
「ーーどっちか片っぽだけでも、結ばれたご縁の端っこを握りしめてたらいい。それだけで繋がりは途切れんもんやよ」
おばあちゃんから教えてもらった、人との縁の話。
思わず夕湖と海人の顔を思い浮かべる、朔。
「ご縁の端っこ」を握りしめられているか、自ら答えを出せないもどかしさと、葛藤。
おばあちゃんとの再会が、ひとつの気づきになってくれていたら・・・。
繋がりは、途切れていないだろうか。自ら繋がりを、切ってしまったのではないだろうか。
朔、がんばれ。
5巻での決断で、そう感情噛み締めながら読み進めたシーンでした。
「朔兄、少し遠回りして帰らない?」
…ここで終わらないのがチラムネ6巻。
明日姉の家が建っていた場所を見に行きます。
明日姉の家はいまはもう見覚えのないきれいな家だった。
「それはそうだよね」
「もう何年も経ってるんだもん」
普通に考えたら当たり前のこと。
朔の胸の奥がくぅくぅと締め付けられる。
だけど、なぜだろう。
少しだけ先を歩く明日姉が、夕焼け空を見上げながら言った。
「なにひとつ変わらず続いているように見えても、少しずつ移ろいでいるんだよ。家が取り壊されて、新しい家が建てられて。誰かの思い出にまた誰かの思い出が上書きされて、歩いて五分の場所にコンビニができる」
悲しそうに言った。
それから、
どこか儚げな笑みを浮かべて振り返り、
「初恋の朔兄はいつのまにか後輩の君になって。
私の知らないところで、誰かの好きなひとになって。
ひとり、傷ついている」
悲しそうに言った。
あぁ・・・。
「なぜ夕湖の告白を断った」のか、
朔は起きたことを、嘘ではないことを、事実だけを、ありのまま伝えた。
だけど、隠した本音を読み取る明日風。
「だけどそこに」
「ーー君の心は、なかったよ?」
あああぁ・・・・・・。
明日姉に話す時は最新の注意を払っていたはずだった。
余計な心配をかけないように。
かといって嘘はつかないように。
史実だけを、ありのまま。
だというのに、なんで。
動揺している俺をよそに。こう聞いたほうがいかな、と明日姉は言う。
「君はどうして柊さんの告白を断ったの?」
まるでそれを予期していたように、
明日姉はとうとうと言葉を紡ぐ。
「べつに教えてくれなくてもいい。
なんで自分を頼ってくれないのってすがりつくほど傲慢にはなれないから、内田さんでも、七瀬さんでも青海さんでも、水篠くんや山崎くんだっていい。
浅野くんだけ、いまはちょっと難しいかもね。
とにかくそういう誰かに、君はちゃんと言い訳できた?」
どこか寂しそうな微笑みを浮かべて、
「ーー君の話には、君がどこにもいないよ」
朔は「なにがおこったのか」は教えてくれた。
「なにを口にした」のかもわかった。
だけど「なぜそうしたのかだけ」は一度も口にしなかった。
・・・これ、明日姉も相当覚悟決まってたんだろうなぁ
悲しげに目を細めて、覚悟を決めたように、
「君は、愛されることに慣れすぎて愛し方を知らないんじゃないかな?」
「これまで、躱すことが当たり前だったから」
「遠ざけるべきものだったから」
「自然と離れて消えていったから」
「ともすれば憎むべき対象ですらあったから」
あるいは。
「無償で振りまくことしか知らなかったから」
君は、と明日姉が言った。
「ーーラムネの瓶に沈んだビー玉の月だったから」
ああああああああああぁぁああぁあ・・・・・・ッ!!!
からん、と。
ひとりぼっちの心が転がる。
明日姉も本当はもっと踏み込みたいはず。けど、踏み込めない。
ただ、伝えることはできる、導くことはできる。行く先を照らすことはできる。
「あの青い夜」に、君を聞かせてもらった私なら、私にしか。
これで、よかったんだよね……。
ずるい心じゃ、君のお月さまになんてなれないから。
朔が感じている葛藤。
それに対する明日姉の葛藤を思うと、直視できない…
目の前で悩んでいる朔を救うことが、できるのか。
どんな辛くて悲しい物語だって、ハッピーエンドに変えて見せると誓ったあの日。
ひとりで強がる君の暗がりをかたっぱしから消してまわると決めたあの日。
ーーねえ。私はあなたのお月さまに、なれるかな。
…ねえ。私はあなたのお月さまに、なれてるかな。
朔と明日姉見てると、切なさが振り切ってしまうことがある。
この時点で気持ち溢れまくってしまったのに、「もうすぐ、夏が終わる。」って締め方をラストに持ってくる裕夢先生が天才すぎる…ここで我慢できずに泣いてしまった。
時は待ってくれない。明日へと吹く風は止まってくれない。
やがて秋が訪れ、季節は巡り次の桜が咲くころがやってくる。
ああ・・・どうにかしてこの二人をこの夏に閉じ込めてあげることはできないだろうか。
あの頃の思い出はあの頃のままで、どこかに冷凍保存されているアルバムのように。
そんなことを願いながら読んだ夏の日。
5位:「……悠月が、悲しそうな顔してたから」
「チラムネ6巻本気で面白いな、このまま終わってほしくない」と思ったシーン。
合宿帰りにみんなと別れたあと、いっしょに帰る健太と和希のシーン。この2人仲良いな。好き。
「俺に好きな人がいたって、言ったろ?」
脈絡のない話に、こくりと頷いて先を促す健太。
あれ、悠月のこと
あ れ 、 悠 月 の こ と
うん………………ってえええええええええええッッッッッッ!?!?!?!?
和希おまえ!!!!!!お前ってやつは!!!
めちゃくちゃ盛り上がってきた!!!これこれ、これなんだよ・・・これが青春なんだよ!
一番冷めてるやつが一番直球なのがたまらん・・・!!ありがとう和希!!!(涙
そこまで驚くことか?
驚くよ!!!!!!!何言ってんの!!???!?
ここからの、和希の悠月に対する想いがもうたまらん………。
悠月ってさ、自分と似てるタイプだと思ってた。器用で要領がよくて、他人に対して線を引きながらうまく世の中を渡っていくような。心のどっかはいつでも冷めてるような」
朔と悠月がヤン高の柳下とやり合う前までは、こう思っていた。
「でも、そんな女の子がさ、必死に踏ん張って、唇噛み締めて、男でもびびっちまうような相手を真っ直ぐ睨みつけながら叫ぶんだぜ。『私は、千歳朔の彼女だッ!』って。『指一本触らせてやるもんかッッッ‼︎』って」
まいったよ、と和希は苦笑して続ける。
「その姿が、あまりにも気高くて、凛々しくて、遠くて尊くて。 ーー俺にはなによりも美しく見えた」
もう無理。耐えきれん。(泣
この後堪えきれずに吹き出す和希もセットで最高すぎる…青春っていいなぁ。
悠月に恋をした瞬間、和希にとって失恋してたと思うと、無論健太と同じ気持ちになる。
でも悠月に恋をした瞬間、「どう考えても勝ち目はないから」と、一晩で気持ちに一線を引いた一樹推せるなぁ・・・
「こんな言い方はあれだし望んでるわけでもないけど、もしふたりが上手くいかなかったら水篠にも、その、チャンスみたいなのが生まれるんじゃ……」
無論、健太との言葉に同意。
それを願う男にはなりたくねえなー
ああ、そうか。
そういう願いは人の数だけあって、でも願うことは絶対になくて、
だから、と水篠が言った。
「朔の葛藤も、夕湖の想いも、海人の怒りもわかる。きっとどれひとつ、間違ってなんかないんだよ」
「本当は仲間としてずっとつるんでいたい相手に告白されて、断らなきゃいけないってけっこうしんどいんだよ」
ふと、健太が朔に言っていたことを思い出した。
「どれだけ顔がよくたって、運動や勉強ができたって、本当に好きな人が振り向いてくれるとは限らないもんさ」
これ、健太に聞いて欲しかったんかな・・・・・・・?
悠月のことが好きな気持ち。それに対する諦めの気持ち。
恋をした瞬間に失恋なんて、普通に考えて動揺しちゃうんだけどな・・・。
だから、健太に前向きな言葉を聞いて欲しかったんじゃないかな。
「届かない恋をしていても映し出す日はくるかな」
そのぼやけた答えが見え始めるまでは、
・・・和希の言葉どおりそりゃしんどい。
だから言った。込み上げるように吐露した。
健太に伝えることで、前向きな恋愛にむかうために。
2巻ラストから和希と悠月の会話。
夕湖の告白の時に悠月のリアクション。
あぁ・・・
「これでチラムネ6巻このまま終わりにしよう」と思ったシーンでした。
和希せつなすぎるよぉ…もうテンション乱下高sぎる・・・・
「でもさ」
「なんであのとき、わざわざあんな言い方を? いまの話の割に、トゲがあったように聞こえたんだけど、気のせい?」
健太の問いに、呆気にとられたように目を見開き、それからがしがしと頭をかいて、
「……悠月が、哀しそうな顔してたから」
ああああああああああああァアっ!私サッカーボールになってもいいです!!!!!(壊
4位:「あんたの相手できるやつ連れてきたからッ‼︎」
「その、私、お子ちゃまだから、こういうとき、どうすればいいか全然わかんなくて」
心配して朔の家まで来た陽ちん。一生懸命でむちゃくちゃかわいい!応援してるよ!!
どうやったら朔を元気づけられるか。
いっしょにご飯に行くか、買い物に連れ出すとか、手紙でも書くかとか、
でも私っぽくない、絶対うまくできない。と悩む陽。
「けっきょく自分にできるのっていっしょに身体動かしてすっきりさせてあげるぐらいしか、なくて。でも私相手じゃあんたもお遊びにしかならなくて」
「だから!」
「あんたの相手できるやつ連れてきたからッ‼︎」
「亜十夢くんはこんなところでなにしてるのカナ?」
「ーーこっちが聞きてえよボケっ!!!!!!」
ここめっちゃ笑ったwwwwまさかの亜十夢登場。
亜十夢も朔のこと心配してたのかな・・・完全にツンデレでもう笑
そんなこんなで東公園で野球をやるわけですが、やっぱいいな、こういうの。
この3人の絡み好きだ。
「青海、お前ほんとにその身長でこれからもバスケを続けていくつもりか?」
「当ったりめぇよ!」
「……どいつもこいつも」
「なんだよぉ」
「お前みたいなやつはちゃんと上まで行け」
お 前 み た い な や つ は ち ゃ ん と 上 ま で 行 け
亜十夢・・・ッ!(泣
最高に熱いぜ・・・ほんとありがとう。
「じゃあな、あとはふたりでよろしくやってくれ」
「なんで? 奢るからあんたもいっしょに8番食べてきなよ」
「泣きべそかくほど好きならさっさとその馬鹿押し倒しちまえ。幸いお前も体力だけは有り余ってるみたいだしな」
「んなッ!?」
あああ・・・・やっぱいいな、こういうの。
ーーぽつ、ぽつ、ぽつ。
その後、降り出す雨。
「夕立か。陽、早いとこ切り上げ」
「いいじゃん」
もぞもぞと陽が身体を起こし。
ぴたり、背中を合わせてくる。
冷たい雨なかで、まだ火照った互いの体温が心地いい。
この瞬間ガチで福井にいたかった。
この挿絵好きすぎる…青春って眩しいなぁ。
「ねえ千歳?」
「なんだ、陽」
「私はさ、恋とか友情にあれこれアドバイスできるほど経験豊富じゃないけどさ」
「ああ」
「ひとつだけ言わせて」
陽はぐっと背中に体重をかけてくる。
「たまにはさ、もたれかかってもいいんだよ」
夕湖も、悠月も、うっちーも、海人も、水篠も、山崎も、と言葉が続き、
「ーー男と女である前に、大切な仲間でしょ」
ーー仲間。
バスケ部の主将として、チームを背負っているからこそできる、陽のアドバイス。
「みんなそれぞれに強いとこと弱いとこがあってさ。きっときれいな心と汚い心を抱えてて。だからあんただけが全部を背負う必要なんてないんだよ」
軋轢を乗り越え、その先に立っているからこそできる、陽のアドバイス。
「チームって、そういうもんじゃん?」
朔といっしょに、戦った相棒だからこその、重みのある真っ直ぐな言葉。
もう一回言わせてください。この瞬間ガチで福井にいたかった。
朔と陽の関係がほんと落ち着く…
この二人の間に流れる、穏やかで優しくて暖かい時間が心地良いんですよねぇ。
陽!!これからも頑張れ!!!!
3位:私という女は、七瀬悠月という女は……っ。
最低だ。
最低だ最低だ最低だ。
私という女は、七瀬悠月という女は──ッ。
夕湖の告白シーン、悠月の回想。
それぞれのキャラの葛藤が描かれている第6巻、その中でもダントツで好きなのが悠月の回想。
ああ、やっぱりだ。
私が気取ったやり方で少しずつ距離を詰めようとしているあいだに、あの子は。
ぴょんと月に向かって跳んでしまった。
突然の、夕湖の、朔への告白。
走馬灯のように巡る、描いていた朔との物語。
毎晩ブランケットに包まって描く未来では、いつだって自分が選ばれていた。
友達と同じ人を好きになる。
ときにはけんかをして、仲直りをする。
怒ったり泣いたりしながら、最後には千歳と結ばれる。
そんなふうに、ありふれたハッピーエンドを……。
進学先はふたりで決めよう。
できれば県外、千歳が望むなら福井大学でもぜんぜんいいや。
まずは二年間それぞれひとり暮らし。
週末は寂しい夜には互いの家を行き来しよう。
うっちーに見劣りしないぐらい、料理の腕を上げておかないと。
二十歳になったら、私たちらしくとびきり気障なバーで乾杯。
ときどきはいっしょにお風呂に入って、いちゃいちゃしながら背中を洗いっこ。
ベッドのなかでは泣きたくなるほどぐちゃぐちゃに愛されたい。
そうして三年目の春、ご両親にあいさつを済ませたらいよいよふたりで生活、なんて……。
たとえ幼稚な妄想だと笑われても、仕方ないじゃん。
だんだんと本当に訪れるいつかみたいに錯覚し始めたって、仕方、ないじゃん。
もしかしたら青春時代にありがちな根拠のない万能感、ってやつなのかもしれない。
それでも私なら、七瀬悠月なら。
月だって撃ち落としてみせるって、そう思ってた。
だからこそ、
まだ私が登場してさえいない舞台の上で、
私の知らない劇が勝手に進んでいく置いてけぼりの寂しさに、
下から見ていることしかできない悔しさに、
無力感にーーーー。
恥ずかしくて恥ずかしくて消えてしまいたかった。
悠月・・・・!
私自身が悠月推し、というバイアスとは考えられないレベルで、もう恐いくらいに共感できて、恐かった。
「いつだって自分が選ばれていた」という理想。
「ぞわりと血の気が引く真っ青な恐怖に襲われた」という現実。
私の初恋はここで終わり、なの……?
本気だからこそ、誰にも譲れないものだからこそ、それを失うことへの恐怖。
踏み出すことができなかった、恐怖。
好きな人の好きな人になれる明日と、好きな人に好きと言えなくなる明日。
両方を天秤にかけてみたら、あっさりと後者に傾いて。
真っ直ぐに大好きと叫べる気高さを、私は持っていなかったから。
もう過去には戻れないし、仮に過去に戻れたとしても、きっと同じ選択をするんだろう。
もう後悔しても遅い。その時悠月がとった行動は
ーーああ神様、どうかもう少しだけ。
私に時間をください。
ありがとうも、ごめんねも、おはようもおやすみも、
千歳も朔も好きも嫌いも大好きも、それから愛してる、も
まだまだあなたに届けたい言葉がある。
十年後に今を後悔したくなんてない。
一生に一度の恋を、遠い日の甘酸っぱい思い出になんてしたくない。
この胸にある想いは、ひと夏の花火なんかじゃない。
どうか、どうか、どうかーーーーーー。
もう読んでて頭がどうにかなりそうだった。
あの「七瀬悠月」が神頼み。なんでそこまで後悔してるのに、なんで行動しなかった。
なんで・・・どうして・・・だって七瀬悠月は七瀬悠月だから。
『わりぃ、夕湖の気持ちには応えられない。俺の心のなかには、他の女の子がいる』
だから、
その言葉を聞いたとき。
どうしようもなく心は浮きたってしまった。
私の恋は終わらない。
千歳は、はっきりと。
心のなかに他の女の子がいると言った。
それが夕湖じゃないのなら、もしかして、もしかして。
ーー私かも、しれないんだ。
悠月・・・・・・・・・ッ!
客観的にみて、なぜ悠月が人気なのがはっきりわかってしまったかもしれない。
こんな人間くさいキャラが人気でないわけがない。
その後に夕湖の涙を見て、罪悪感が押し寄せるシーンも、もうね・・・。
夕湖の悲しみを、痛みを、涙を、理解してあげられるはずなのに。
なにより愛する人が、いま傷ついていないはずがないのに。
夕湖に抱いてしまっている、押し寄せる「劣等感」。
生物学的に得てしまった「蜜の味」。訪れてしまった「高揚感」。
最低だ。
最低だ最低だ最低だ。
私という女は、七瀬悠月という女は……っ。
……たまんないなぁ、こういうの。
今までずっと、「焦るな悠月、チャンスは訪れる」だなんて思いながら読んでたけど、
明日からどうすればいいのよ…。
ーー
そんなモヤモヤしながら読み進めていたら、
「やあ」
「似合ってない、かな……?」
・・・・・・・(思考停止)
なんだこれ、かわいすぎんか。
ソースカツ丼のくだりは、どこかで機会があればまたまとめたい。
悠月はやっぱり悠月だった。
頑張れ悠月、焦るな悠月・・・!
2位:「ーー手を、繋いでいようよ」
『千歳くんはラムネ瓶のなか』
物語の前半戦は、『柊 夕湖』、『内田 優空』
そして『千歳 朔』の物語で幕を閉じる。
みんなの特別じゃなくてかまわない。ううん、みんなに特別扱いされたまんまでもかまわないから。
ーー私はあなたにとって、たったひとりのトクベツがいい。
私はあなたにとっての特別じゃなくていい、恋人でも親友でもなくてかまわないから。
たとえば困ったとき、最初に名前を読んでもらえるような。
ーーただ普通にそばにいられたなら、そういうのでいい。
ーー
互いに異なる価値観をもち、ハッキリと明暗が分かれてしまった二人、
いや、三人。
一度壊れてしまった関係は、もう修復不可能なのだろうか。
もう昔のようには、戻れないんだろうか。
「君は、愛されることに慣れすぎて愛し方を知らないんじゃないかな?」
明日姉が、暗闇を照らしてくれた。
「このままってわけにもいかないでしょ」
和希が、迷いから抜け出すきっかけをくれた。
「相互理解してこいよ!」
健太が、大切なことを思い出させてくれた。
「千歳も意地の張り方まちがえんなよ」
悠月が、「かっこのつけ方」を正してくれた。
「男と女である前に、大切な仲間でしょ」
陽が、背中を押してくれた。
「話しかけたりしねえからさ。後ろついてくことだけ、許してくんねえかな」
海人が、バラバラになりかけた関係を繋いでくれた。
「ーー手を、繋いでいようよ」
1位:あなたのフツウ⇔あなたの特別
ーー私はあなたにとって、たったひとりのトクベツがいい。
……私を特別扱いしなかった、はじめての人。
柊 夕湖
ーーただ普通にそばにいられたなら、そういうのでいい。
ずっと普通に生きてきた
内田 優空
トクベツになりたいと思ってた。
トクベツになれないとわかってた。
ーー私はただ、あなたのフツウ(当たり前)になれたらな
一歩下がって慎ましく。
半歩寄り添い身を尽くし。
ーーあなたの特別になれるなら、私は、そういうのがいい。
おわりに
と、いうことでチラムネ6巻。
発売日が2021年08月19日。この記事を書いたのが2022年の12月。どんだけ縛ってんねん(殴
読み終わった後に感動のあまり(記事の)下書きを書き綴ったのになんて体たらく。。もう6.5巻~7巻発売してるなぁorz※例にもれず読了後に記事書いてるからね!
そんなことはさておき、、、チラムネ6巻。前半戦を締めくくるのに最高の巻だったんじゃないでしょうか。
朔をはじめとするヒロインたちとの吐露、その答えを探すために、登場人物たちがもがき苦しむ様は私にはあまりにも眩し過ぎた。。。
ずっと普通に生きてきたけど、特別になっていいんだよね、私。
この巻のヒーローはまさしく彼女、内田優空の挫折と葛藤。
みんなの前で告白した夕湖の本心もそれを断った朔の真実も最初から分かっていて、、
だからこそ「彼女だけ」が2人をまた向き合わせることが出来た。養浩館のシーンは圧巻。ますますアニメ化が楽しみになったよ・・・。
チラムネが終わった後、6巻のこと記事にしたいな。「6巻は良かった!!!!」って、「朔ううぅうぅ!!!さっさとしっかりしろ!!!」って、、、
まだ語り足りないけど、ひとつだけ言えることは6巻は絶対この夏に読むべき!いやこの夏の終りに!!絶対にだ!!!!季節は冬だけどな!!(寒
ーー
おあとがよろしいようで・・・
(内田のショートかわいくね…)