主人公『千歳 朔』と『柊 夕湖』。
誰がこの展開を予想できただろうか。
感動と、衝撃のチラムネ5巻。
楽しくて、切なくて、ずっと終わってほしくない物語。
でも、終わりは訪れる物語。
──この日々は、きっと、戻ってこない。
今回もお気に入りのシーンをランキング形式でまとめていきます。
5巻 好きなシーンTOP7
7位:三角は青春に似ている
明日風と一番谷デート。
道中での「宿泊合宿のお風呂」の話での一幕。
椅子と桶が整然と「三角形」に積み上げられていた。
後ろの窓からは夕日が差し込んでいた。それを見た明日風たちは
「なにもできなかったの。みんなしばらくその三角形の前でぼんやりと立ち尽くして」
ここ最初に読んだとき本当に理解できなかった。
もし私がこの話を聞いたとして、どんな反応をするか考えて見たけど何も思い浮かばない。
せいぜい「神秘的な話だね」って返せる程度だろうか。
この話を聞いた朔は、
「三角形って神秘的だよね」
と返答。なんだこのイケメンは。
続けて、
「きっと、明日姉たちの見た三角は青春に似ている」
三 角 形 は 青 春 に 似 て い る
私「これは・・・どう解釈すればいいんだ」
明日風「んと、どう解釈すればいいのかな?」
↑ここ謎のシンクロ笑いました。
朔はこう続けます。
「前の利用者がスタッフの人かは知らないけど、それは誰かが作ったものでしょ。癖もあれば細かなずれもある。誰かが崩してしまったら、たとえもう一度積み直したとしても、まったく同じ光景は二度と見られない」
「ーーだから少女たちは、いつまでも終わらせたくない時間をきれいな三角形に重ねた」
・・・うっすらと、この時点で何かを予感していた。
朔はどういう想いで、この言葉を明日姉に返したのか。
明日姉は、この言葉をどういう思いで受け取ったのか。
「ーーそれはとても、素敵な読み方だね」
このシーンは繰り返し読みました。
それでも、自分で納得できる解釈が生まれてこない。
多分こうだろうな、ああだろうなって考えてさせてくれるのがチラムネの魅力の一つなのでしょうね。
明日香とのデートの話は個人的にはすごく面白いと感じました。明日風と過ごせる残りわずかな時間。丁寧に丁寧に、二人が紡いでいるのが伝わってきて好きです。
でもカリメロの話マジで怖かったんで少し加減してください裕夢先生!笑
6位:「だから、いるよって」
チラムネ5巻本気で面白いなこのまま終わってほしくないと思ったシーン。
チーム千歳の男子陣でお風呂に入るシーン。
学校行事の醍醐味ですね。
「いやさ、和希と健太って好きな子いるのかなって」
「お、俺はまだ好きとまで言える人は……」
健太ってだれ好きなんだろ笑
地味に気になるけどすげぇ予想しづらいな。見た感じ優空とか好きそうだけど、以外にも明るく接してくれる陽とかあたりが…いや案外メンクイだろうから夕湖や悠月もあり得る…いやでも大穴でなずn
「いるよ」
い る よ
ってはあああああああああああああああああああああッッッッ!?!?!?!?!?
和希おまえマジか!!!!!!!!?
めちゃくちゃ面白くなってきたやんけ!!これこれこれですよ!
これぞ青春の醍醐味!和希ってだれ好きなのかな!!?
「ーー俺はその子が他の男に惚れるところを見て惚れたんだ」
…………え?
「ーー本気で惚れても惚れてはもらえないだろうからこのへんで、ってね」
…………鈍感な私でも気づいた。気づいてしまった。
和希、なんでこのタイミングでみんなに喋ったんだろ。
朔も気づいたみたいで、こう吐露しています。
どいつもこいつも、と思う。
なんだってそんなふうに強くいられるんだ。
自分の気持ちの在り処を、ちゃんと知ってるんだ。
今巻の朔はこういった描写が多い気がしました。
朔自身、自分の気持ちの在り処を知らない。
またはわからない。または答えを出せない。
そういった描写に感じられました。
ここに来て、「恋」にフォーカスが当てられていくチラムネ。こんなのが面白くないわけがない。
しかし和希、、お前まじかーーーーー(泣
実はずっと「こいつずっとすかしやがって、もっと本性出せや!」って思ってたんだけど、急に覚醒しないでくれー笑
5位:「ふたりで、見たかったの」
花火大会のシーン。
ぜったいに美味しいところに現れる悠月。
今巻も「やあ」いただきました!この挨拶ほんとすき。
十発上がるまで、二人きりで花火を見上げる。
ぱらぱら、ぱらぱらと花がさき、
そのたびに、七瀬のきれいな横顔が照らし出される。
「なんだか泣きだしそうになって、俺は空を見る。」
・・・なんだこれ。
この二人ってなんでいつもこう詩的なんだ。
言葉通り、絵になるのはもちろんだけど、台詞がほんとハイレベル。
「繋がない、もう恋人じゃないから。だから袖だけ、貸して」
繋げばいいじゃん!!!!ねぇ!!
あと一発だけ、もう一発だけ。
俺は、と思う。
ーーこの感情に、名前をつけられるだろうか。
・・・なんだこれ。
朔くん頭の中ぐちゃぐちゃになってそう…
いや私の頭の中は確実にぐちゃぐちゃです。
え、これ恋じゃないの?じゃあ一体何なの?
このシーンも、もう少し読み深めないと自分で納得することができない気がする。
朔はなんで泣き出しそうになった?
朔はなんでこの時間が続くことを願った?
朔はなんで感情の名前を知りたかった?
朔はこの感情に名前をつけたかった?
4位:「ーー気にしてほしいッッッ!!!!!!」
「なかったことにすんの、無理ッ!あんたには私のこと、男友達みたいに付き合える相手じゃなくて、恋愛対象の女の子としてちゃんと見てほしい!!」
この瞬間ガチで福井にいたかった。
前回暴走しちゃった陽ちゃん、あれからずっと朔とギクシャクしてたけど、がんばったね…(泣
もう何も言うことはない。この物語の結末がどうあれ、もう全人類が陽の味方だと思う(何言ってるかわからん
「けど付き合ってとか言う前につけなきゃいけないと思うけじめもあるし、私も勢いとかじゃなくて、ちゃんと心からその言葉を伝えたい」
この「けじめ」というのが現時点ではハッキリしていないので、憶測でしか語れないけど、陽が納得するためのけじめってことだよね。多分。
それとも、「だれかを想ってのけじめ」なのか。
いずれにせよ、この二人はそっと応援していきたいと思います。
3位:私、七瀬悠月は焦っていた。
正直に告白すると、私、七瀬悠月は焦っていた。
陽の付き添い(?)で朔の家を訪れたシーン。
そこにいたのはキッチンに立つ優空。
こんなに本気で焦る悠月を見ることができるとは。
ーー私の特別が相手の特別じゃないかもしれない。
朔と明日風を見たときの感情を思い出す悠月。
あのときは、まだ「その感情」に名前をつけてなかった。
だけど、いまは。
このシーンはめちゃくちゃおもしろい…
今まで幾度となく、朔と他の女の子が仲良くしている姿を見てきたはず。
家のドアを開け、玄関からエプロンを着けた彼女の姿を見た瞬間、
本能から来る「嫉妬」、または「劣等感」。
私には持ってない物を優空は持っている。
千歳はそれを大事にしている。
私は千歳に何を与えられる?
千歳は私に何を望んでいる?
ーーただ一方的に救われただけの私は、千歳に返せるものをなにひとつ持っていない。
……たまんないなあ、こういうの。
大好きと真っ直ぐに叫べる気高さ。
一歩下がって支えるような優しさ。
憧れ追いかけたくなるような美しさ。
背中を蹴り飛ばす強さ。
私が持っているようなものぐらい、あの人だってとっくに持っている。
……たまんないなぁ、こういうの。
今までの描写から人間くさいキャラだとは思ってたけど、正直ここまでとは。。また好きが加速してしまう。。(当方悠月推し
この後に続く「月の都にーー」のくだりもすごい深いと思うんだけど、今回は割愛してまた機会があればまとめたいなと思ってます。
まだまだ七瀬悠月というヒロインを知る必要があると思うので、その時に。
2位:「俺の心のなかには、他の女の子がいる」
単刀直入に、今の私には「柊夕湖」というキャラを理解することができない。
これは悪い意味じゃなくて、「柊夕湖」というキャラがあまりにも複雑で、繊細で、ここであーだーこーだ書ける勇気が出ない。
夏勉合宿から学校に帰ってきたシーン。
「ーー私、いまから朔に告白しまーっす!!」
5巻のプロローグから「おそらく朔に告白するのだろう」という展開は予測できていたけど、この結末を見届けた上で自分の中で納得できる答えが出せなかった。
「俺の心のなかには、他の女の子がいる」
「だよねー!」
「残念無念、まったあっしたー♪」
「……でも、やっぱり」
「朔じゃなきゃ、やだなぁ」
…もう全然思考がついていけませんでした。
思えばたくさん伏線はあったけど、肝心の「夕湖と朔の想い」が見えてこない。理解できない。
思わずこう思った。
「千歳くんはラムネ瓶のなか」
という作品と向き合う時間が欲しい
1位:「ーーよかった、まだいたんだね」
「朔くん、いっしょに帰ろっか」
「なん、で……」
「夕湖ちゃんが好き、悠月ちゃんが好き、陽ちゃんが好き。水篠くんも浅野くんも山崎くんも、みんなで過ごす時間が大好き」
だけど、と一歩前に出る。
「もしもいつかなにかを選ばなきゃいけなくなったときは。自分にとっての一番を選ぶって、ずっと前から決めてたの。」
気づいたら泣きながら読み進めていた。
もうここから最後までどんな感情で読んでいたかを覚えていない。
「もしもあなたがひとりぼっちでうつむいているのなら。あのときの私みたいに、声を押し殺して震えているのなら。……月の見えない夜に、迷い込んでいるのなら」
どこまでもやさしい音色で
ーーそのときは、誰よりも朔くんの隣にいるから
おわりに
と、いうことでチラムネ5巻。
もはや最後らへん涙ボロボロで何も考えられなかった…
今冷静になって振り返ると、優空、ありがとう。朔を追いかけてくれて。
優空のラストは歴代で一番好きなシーンかもしれません。
あとたぶん次の巻で優空をほんきで好きになってるとおもう。
(6巻読む前に優空のことしか考えられなくなってる。)
終盤にかけてのキャラクターたちの想いとか考えとかは、6巻を読み終わったらまた落ち着いて読み返そうかと思っています。
特に夕湖がさっきからずっと気になってしまっている。
(6巻読む前に優空と夕湖のことしか考えられなくなってる。)
ーー
次がチラムネ前半戦の折返しラスト。
この夏の、この夏しかない物語をしっかりと見届けます!